初盆
目次
初盆の意味
初盆(はつぼん)とは、故人様がお亡くなりになられてから、四十九日の忌明け後に初めて迎えるお盆の行事のことを言います。初盆とは、新盆(あらぼん、しんぼん、にいぼん)などとも呼ばれていますが全国的には初めて迎えるお盆なので、「初盆」と呼ぶ地域が多いと言われています。
忌明けとは
今はお亡くなりになられたご遺体を火葬していますが、その昔、日本では風葬を行っていました。亡くなられたご遺体は、「つき(津城)」とよばれている林の中にまず置き、白骨化するのを待ってから風葬することが風習となっていました。
また、1回だけの葬儀だけではなく、7日ごとに法事を営み、四十九日まで法事を続ける儀式が広まっていきました。そのことから、四十九日までを忌中と呼び、四十九日の法事が終わってからのことを忌明けとしました。
初盆の時期
お盆はそもそも、7月に行う地域と8月に行う地域があります。お盆を行う季節が地域によって1か月ずれているのは、農作物を収穫するシーズンとお盆の行事が重なったことが理由とされています。8月にお盆の行事を行う地域が今では全国的に主流となっていますが、関東の一部地域では7月にお盆を行っています。
なので初盆をこれから迎える方は、ご自身の地域が7月なのか8月なのか確認しておきましょう。
また、初盆とは、故人様がお亡くなりになられてから、四十九日の忌明け後に初めて迎えるお盆のことをいうので、故人様の命日によって今年が初盆になるのか来年が初盆になるのかが異なります。故人様がお盆の数日前にお亡くなりになられたという場合には、翌年が初盆(新盆)になります。また、場合によっては四十九日法要を終えてすぐに初盆を迎えるという事もあります。
初盆の時期について詳しく見る。
四十九日の由来
もともと四十九日とは、インドの風習からきています。インドでは七日ごとに七回の魂祭りをして霊を送るということを行っていました。考え方としては、霊の魂は四十九日まではこの世を漂っており、中有という状態にあるというものです。そして霊は四十九日目の満中陰をもって成仏するとされています。
四十九日は古来から現在に至るまで、故人様にとってもご遺族様にとってもひとつの節目とされる大切な日とされています。
一般的なお盆との違い
では、初盆(新盆)と、お盆とは一体なにが違うのでしょうか。
初盆とは、初めて迎えるお盆のことを言いますが、その後毎年行われるお盆とは違う部分があります。
初盆の精霊棚(盆棚)とお供え物
故人様がお亡くなりになって初めて過ごすお盆なので、精霊棚(盆棚)などを通常のお盆よりも華やかに飾ります。精霊棚(盆棚)は12日頃から準備してください。精霊棚(盆棚)にお供えするご供物は、通常のお盆と大きく違う点はありなせんが、地域や宗派の決まりいよって異なる場合もありますので、親族や菩提寺様に必ず確認してください。
香典返し(返礼品)の用意
ご親族様がお盆の法要に参加する時に香典や提灯代を施主様にお渡しされます。それなので、ご親族様の分の返礼品をあらかじめ用意しておき、法要、会食の後にご親族様に香典返し(返礼品)をお渡しください。
この香典返し(返礼品)や香典の費用、提灯代については、下記の記事に詳しく書いておりますので参考になさってください。一般的な香典返し(返礼品)の費用や、どのようなものを初盆のお返しではお渡しするのがふさわしいかについて書いています。
初盆の香典返し(返礼品)の費用や品物について詳しく見る。
盆提灯
初盆では白紋天(しろもんてん)の白提灯を玄関先や仏壇の前に飾ります。どうして初盆の提灯は白い提灯と決まりがるのでしょうか。これは初めて里帰りする故人が迷わず帰ってこられるようにということと、白提灯の白木が清浄無垢を表し、初めてお迎えするのにふさわしいと考えられているためです。
故人様の霊が初めて家に向かう際に間違えないように、分かりやすさもこめて提灯を白色の提灯にしているとも言われています。なので、故人様が無事に帰ってこられるようにお盆の初日までには提灯を間に合うように準備し、提灯が目印になるように飾っておきましょう。
提灯を飾る場所は玄関の軒下ですが、難しい場合には玄関や仏壇の前に提灯を飾って下さい。
供養とは
供養とはもともと、インドで神々や聖者を敬って供物を捧げることを意味する「プージャー、プージャーナー」を中国語に訳したものです。プージャーとは、पूजा と書きますが、古代インドで使われていたサンスクリット語の言葉です。
仏様に供物をささげたり、塔を築いたりすることをプージャーと言っていましたが、だんだんと変化していき、供物をささげることによって生じる功徳をご先祖様や故人様に回向(えこう)することも供養といわれるようになりました。
ご先祖様を偲ぶ
また、日本には古来からご先祖様を敬うという習俗がありました。日本に仏教が伝わってきた際に、この、ご先祖様を敬うという習俗が影響し、死者を敬い冥福を心から祈ることを供養と呼ぶようになりました。今では、故人様、ご先祖様のご冥福を祈ることとともに、仏事を営むことを供養と言うようになりました。
先ほど、サンスクリット語の話がでましたが、「お盆」という言葉の由来をたどると、サンスクリット語の「ウラバンナ」という言葉にたどりつきます。
盂蘭盆会(うらぼんえ)
初めてお盆を迎えることを初盆(新盆)といいますが、もともとお盆とは盂蘭盆会(うらぼんえ)という行事の略称です。盂蘭盆とはサンスクリット語の逆さ吊りという意味の表音で「ウラバンナ」といいます。逆さ吊りと聞くと驚かれるかもしれませんが、これには次のような由来があります。
お盆の由来
お釈迦様の弟子のひとりに目連尊者(もくれんそんじゃ)という大変聡明な方がいらっしゃいました。日々、修行を行い、神通力といった卓越した力を身につけられたそうです。目連尊者は亡き母に会いたいという思いから瞑想をし、様々な所に母を探しにいきますがなかなか母をみつけることができませんでした。目連尊者にとって、母は良き人でしたので、隅から隅まで探すもののそこに愛する母の姿はありませんでした。目連尊者は、まさかと思い餓鬼の世界にて母の姿を探してみたところ、母を見つけることができました。自分にとって良き母だったが、餓鬼の世界で逆さ吊りになり苦しんでいるとは知らなかったので、目連尊者は悩み苦しみました。そこで、お釈迦様にどうにかして母を救うことができないか。と尋ねました。お釈迦様は目連尊者に教えを言い、目連尊者はその通りに行を行ったところ、7月15日にその功徳によって目連尊者の母を救うことができました。功徳によって苦しい状態にいた母を救うことができたということがお盆の由来となっています。
お盆の由来について少し解説しましたが、そのことを知った上でお盆の時を過ごすと、今までとは違ったお気持ちで初盆(新盆)の時を過ごせるのではないでしょうか。ご先祖様を気持ちよくお迎えしましょう。
次に初盆(新盆)の法要の流れについて説明していきます。
初盆法要の流れ
初盆は故人様がお亡くなりになって初めてのお盆ですので、僧侶による法要を行います。それなので、事前にお寺に連絡をして法要の予約をしてください。お寺への連絡は6月中旬から遅くても7月中旬までには行ってください。法要の日にちと時間をご親族様、菩提樹のご住職様と調整、いつどこで初盆法要を執り行うのかを決めてください。法要場所は、自宅かお寺が好一般的です。
初盆の法要の流れについてはこちらに詳しく記載しておりますのでお読みください。
初盆の法要・供養について詳しく見る。
まとめ
初盆は、地域や宗派によって時期や準備の仕方など様々です。ご親族様や、菩提寺やご住職様に確認をして事前に準備を進めて当日を迎えましょう。
香典返し(返礼品)や僧侶の方へのお布施なども一般的な相場がありますので、記事をお読みになることで皆様が安心して初盆を迎えられることを願っております。
故人様、ご先祖様の霊をお迎えし、供養を滞りなく行い、ご遺族様の深い悲しみが少しでも和らぎますように。
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